休日の朝寝坊、気持ちよいですね。しかし、そうも行かない人がいます。「週末頭痛」と言って、ウィークエンドになると出る頭痛のせいです。私は経験ありませんが、皆さんの中には経験者がいることと思います。
どんな頭痛か?
休日に寝坊した時に出ることが多いようです。怠惰な状況で出るため、脳の怒りと勘違いした人がいるくらいです。決してそうではなく、ストレスが取れた結果の反動と考えられています。ウィークデイはストレス・緊張のため血管が収縮していますが、緊張が緩んだ際にそれまで収縮していた血管・筋肉が緩むことが原因と言われています。片頭痛(拍動性)との関連で記載されていることが多いですが、緊張性頭痛様の痛み(しめつけられる)もあるようです。いづれにしても、休日になると出る頭痛のことです。
どんな人に多いか?
ストレスの多い仕事もしくは生活をしている人に多いといわれています。
誘因は?
(1) 仕事上のストレスだけでなく家庭内ストレスが原因のこともあります(2) 休みの日の寝坊 (3) コーヒーなどカフェイン含有物の取りすぎ (4) アルコールの飲みすぎ などが誘引となります。
(1)(2)は収縮していた血管が緩むことが原因です。(4)はアルコールとその分解産物であるホルムアルデヒドの血管拡張作用が原因です。(3)のコーヒーは、カフェイン禁断が原因です。コーヒーに含まれているカフェインは血管を収縮させ、頭痛に効きます。一方で、コーヒーを平日に5~6杯以上も飲むのが習慣になっている人が週末にコーヒーを飲まずにいると、血管が拡張してしまい、頭痛・吐き気・集中力低下が起こることがあります。これはカフェイン離脱による症状です。これをカフェイン離脱頭痛と呼びます。国際頭痛学会の新基準では、下記のように定義されています。
A. CおよびDを満たす両側性 および・または 拍動性の頭痛
B. 2週間を超えて、1日200mg以上のカフェイン摂取があり、それが中断または遅延されたもの
C. 頭痛は最後のカフェイン摂取後、24時間以内に発生し、100mgのカフェインにより1時間以内に軽快する
D. 頭痛はカフェインの完全離脱後、7日以内に消失する
カフェイン含有量の目安は、栄養ドリンク剤50mg・鎮痛薬50mg程度・コーク1本50mg・コーヒー1杯100~150mgお茶1杯50~75 mgです。例えば、コーヒーを1日3杯、栄養ドリンク剤を2本、鎮痛薬を毎日のむと一日500mgのカフェインをとることになります。そして1日500mgを毎日のように摂るとカフェイン禁断頭痛が起こります。
予防は?
寝過ぎや寝不足もいけません。週末頭痛の常習者は、寝坊をしないように気を付けなければなりません。ストレスの原因を確定し、ストレス回避術を身に付けるべきです。コーヒーなどの飲食物にも注意です。巷はカフェインだらけですので、どの飲料にどの程度のカフェインが入っているか知っておいて損はありません。更に前回書いた頭痛を誘発する食べ物・飲み物は要注意です。